2001年11月アーカイブ

カリコリカリッ

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「小一時間かけて焼かれしかき餅の色良し香良しカリコリカリッ」 (梨夏婁さん2001年11月29日

よく詠まれた、軽快な歌ですねー。とくに結句がそうです。よく感じが出ています。こうした擬音語は、うまく使えば生(なま)の言葉で説明するより直接的に読者に気持ちが伝わりますね。なお、このかき餅はどこかの店で焼いたのを食べるのですね。ご自分で焼くのではなく。(「焼かれし」ですからね、「焼きし」ではなく。)歌の内容としては、口語がふさわしいように思います。そのように添削しておきます。

添削・改作(口語新仮名遣い):
「じっくりと焼かれたかき餅 色は良く香も良く味良しカリコリカリッ」(梨夏婁さん)

(最後の「良し」は本来なら「良い」ですが、少し締まりがなくなるので、あえて旧仮名遣いとしたものです。)
 なんだか、かき餅の宣伝に使えそうな歌ですが・・・。それもまた一興ですね。

「頭から足の先まで泥んこのザリガニ獲りの輝く笑顔」(梨夏婁さん2001年11月28日

あおぎりとしても、なつかしい光景です。所によっては今も見られるわけですね。習い事や勉強などで四六時中縛られている多くの子供達にも、是非経験させてやりたいですね。
 さて、短歌として、ですが。こういう歌は動きがあった方がいいですね。それにはまず名詞止めを避けるといいです。すると、自ずから語順を変えることとなります。

添削・改作(口語新仮名遣い):
「笑い顔かがやかせつつ少年は泥んこになってザリガニを獲る」  (梨夏婁)

歌の焦点

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久方に独逸語辞書を開きつつ
   「シュレーエ」咲ける河岸を想ふ
 (幸乃さん2001/11/07

「独逸」という表記がいかにも古風ですね。意識的?それとも、辞書の表題がこうなっているのかな。なるはど、「シュレーエ」では大抵の読者は解りません。何か花の名前だということは理解できますが。色、形、大きさ、背丈など、その花の属性が解らない。これらは作品の理解を助けるばかりではなく、作品に奥行きや色を添えることにもなりますから。

資料によると、ケルト人の制作になる、1年を13の月に分けて、「守護樹」を定めたツリーカレンダーがあり、スロー(シュレーエ)の月は 10/28-11/24 とあります。なるほど、今だ。また、別の本には「ドイツの春を一足早く彩るものに、アーモンドとシュレーエの花がある」とあります。

幸乃さんは、ドイツ滞在の経験があるのですね。

誤解を招きまして 大変申し訳御座いません。m(__)m  ドイツ滞在の経験は御座いません。m(__)m

この歌、初句「久方に」が少々まずいです。普通、「久方の・・・」ですからね。「久々に」が適切ですね。「河岸」は「かわぎし」か、「かし」か。

添削:
「久々に独逸語辞書を繰りながら『シュレーエ』咲ける河岸想ひ出す」 (幸乃)

次の様では 如何でしょうか。
 ドイツ語の授業受けし日々なつかしく
   「シュレーエ」咲ける河岸を想ふ 
(幸乃)

ドイツの旅を詠んである ある歌のなかに 「シュレーエン」という言葉が
出て来ました。 白い花で 河岸に咲いている とあるのですが 何の花
なのかわからなかったので 視覚的にイメージ出来ませんでした。 それで
辞書を取り出して 調べてみました。久しぶりに 学生時代に少し学んだ
ドイツ語の辞書を手に取ったのです。そうした次第でした

ははは。そういう事でしたか。つまり「シュレーエ」が何か、どんな花かを調べようとして、久しぶりにドイツ語辞書を開いた。その白い花が咲く河岸を思い浮かべながら・・・、ということですね。
 幸乃さんの改作では、添え書きの内容の半分しか詠まれていないので、二首連作で改作します。

 添削・改作:
「久々にドイツ語辞書を引きをれば学生時代がにはかに懐かし」 (幸乃)

「『シュレーエ』と呼ぶ花辞書に調べつつ白き花咲く河岸を恋ふ」 (幸乃)

内容が錯綜する時は、このように連作にするといいですよ。内容盛りだくさんの短歌は、焦点がボケて、よくありません。ただし、一首一首が十分短歌として成立するように詠むことが肝要です。

歌の焦点

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「秋の宵 吾子の手を取り道すがら電線をゆく満月を見る」 (里穂さん2001/11/01

満月は観れば見るほど美しいものです。「電線をゆく満月」というのがユニークですね。歩みとともに、電線に平行に動くということかな。あるいは電線に切られた状態で動いているのかな。
 5歳のお子さんですか。(女の子?)
 改作は「電線をゆく満月」に焦点を絞ります。その方がすっきりし、この表現や満月の印象も生きるから。

添削・改作:
「吾子の手を取りて歩めばしたがひて秋の満月電線をゆく」 (里穂)

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