2006年12月アーカイブ

自動詞「見ゆ」

| コメント(0) | トラックバック(0)

「成人の孫と寿ぐ屠蘇の膳幼時のしぐさ残れしを見ゆ」(比叡)
今年の初め成人になったばかりの孫が正月に来ました。お祝いをしましたが、小さいときのしぐさを垣間見ました。結句の残れしを見ゆはこれでよいでしょうか。宜しくお願いします。

「残れし」は文法的にミスで、「見ゆ」は用法として不適切です(これは「見える」意味で自動詞ですから「を」を受けるのは変。他動詞「見る」「見き」「見ぬ」ならいいですが)。ともかく、これはほぼ1年前のことを詠まれたものですね。お孫さんを幼い頃から見慣れておられますから、成人したあとでも幼い頃のイメージは残っているでしょうね。実際、しぐさのような癖は、幼い頃からそう変るものでもないようですね。それで幼い頃を思い出され、(今はどんどん自立していって離れていく感じであり)懐かしく思われたのでしょう。解かります。

添削:
「新成人の孫と寿ぐ屠蘇の膳。幼時のしぐさ残れるが見ゆ」(比叡)
添削-2:
「新成人の孫と寿ぐ屠蘇の膳。幼時のしぐさ残れるを見き」(比叡)

「とう」

| コメント(0) | トラックバック(0)

「道産子の米は王者を抜き去りて生産一位の星に輝く」(夏子)

添削:
「道産子の米は王者を抜き去りて生産量で一位になりしとふ」(夏子)

添削有り難うございました。  
私は短歌独特の言葉の使い方がまるで分かりません、『とふ』は『と言う』で良いのでしょうか?短歌を読んでいますと、『とう』と言う言葉をよく使われますが同じ意味なのでしょうか、又、どのような時に使うとよいのでしょうか?

このお作は旧仮名の短歌と解して添削してあります。元歌の「抜き去りて」が旧仮名だからです。(歌の発想的にもそのように解されます。)新仮名なら「抜き去って」ですね。また「とふ」は「といふ」の短縮形です。「と言う」の意味ですが、「と言うことだそうです」との含みですね。「短歌独特の言葉の使い方がまるで分かりません」とのことですが、永く続けられれば分かってこられるでしょう。少しは勉強も必要でしょうけれど。「短歌を読んでいますと、『とう』と言う言葉をよく使われますが、(「とふ」と)同じ意味なのでしょうか・・・」との問いですが、「とう」が使われるている状況が分からないと何とも答えられません。

代名詞「の」の省略

| コメント(0) | トラックバック(0)

「傾いた墓地に香煙立つを見る鈍行の車窓に冬晴れの朝」(劫)
先週の土曜日、少し電車を乗り継いで鰻を食べに行ったときの風景です。鈍行列車なのでゆっくり走っており、車窓から墓地に線香の煙が立っているのが見えました。文法的におかしかったり(立つを見るの部分)、つながりがわかりにくかったりするかな、と思うのですが、感覚に委ねて上記のようにまとめました。添削の程、宜しくお願い致します。

「傾いた墓地」とは斜面にある墓地ですね?墓石が傾いているのではなくて・・・。「香煙立つを見る」は、文法的にミスではないですよ?「立つ(の)を見る」の「の」を省いたですね。この「の」は代名詞で、「情景」といった言葉の代用ですね。「立つ」は連体形で、「の」が体言です。ですから、きちんんと散文で言えば「香煙が立つ情景を見る」ということですね。

添削:
「傾いた墓地に香煙立つを見る冬晴れの朝鈍行の車窓に」(劫)

「瞼閉じ君を想いし弾くピアノグノーのマリア静に微笑む」(月あかり)
彼と逢えないけれど、もしわたしがアベマリアを弾いたなら喜んでもらえると想う。マリアも静に微笑んでくれるでしょう。

アベマリア(Ave Maria)のアベは元々は「こんにちわ」「さようなら」といった挨拶ですね。マリアはもちろん聖母マリア(イエス・キリストの母;処女で懐胎したとのことですが)。聖歌・アベマリアは「聖母マリアへの祈り」の歌ですね。名曲として一般的にも弾かれるようですが。歌詞は共通で、シューベルト作曲、グノー作曲、カッチーニ作曲などあるようですね。ここではグノー作曲のアベマリアを弾かれた・・・。お作で「君を想いし弾くピアノ」という語法は時制の上でよろしくありません。「想いし」は過去形ですからね。そうであっても、時制云々以前の問題として、「想いし」という書き方は頂けませんねぇ。「想い」は新仮名で「し」は旧仮名ですからねぇ。新仮名なら「想った」、旧仮名なら「想ひし」ですね。もちろん、これらは過去形という意味では、この歌では共にまずいのですが。「想ひて」(旧仮名)か「想って」(新仮名)ですね。また、「瞼閉じ君を想いし弾くピアノ」とは、目をつむったままピアノを弾かれたのでしょうか?目をつむって「君」を想った、ということかな。また「静に微笑む」の「静に」もミスですね。「静かに」で、(旧仮名でも)「か」は省かない方がいいでしょう。それに、アナタが弾くピアノのアベマリアに「君」が微笑むのですか?それとも添え書きにあるように、「マリア」が微笑むのですか?以上のように、このお作はめろめろに乱れております。今のアナタの心がそのまま反映しているのかもしれませんが。ご投稿はそれなりに公表することでもあります。そのことをご念頭に、改めて詠み直して下さい。詠み直し、あるいは推敲も勉強になりますよ?

カテゴリ

アーカイブ

Powered by Movable Type 4.22-ja