「人の世に憂ひなければ歌はなく心なくして人は絶へなむ」(劫)
大袈裟な物言いかもしれませんが、世の中に「憂」というか「負」 があるからこそ、美しいものが感じられ、芸術が生まれるのではないかと思います。もちろん、 何事もない全くの平穏な日日は素晴らしいのかもしれません。ただ、そんな世の中を想像したとき、人間が心を失ってしまった世界、 もしくは人間のいない草木や動物たちだけの世界に思えてしまうのです。
何事にも表と裏がある、という事ですね。裏があって表がある。その通りでしょうね。その論で行けば、 戦争があっての平和ということにもなりますが・・・。お作で「心なくして」は「心がない状態で」ということではなく「心失(なく)して」 「心無くして」の意味でしょうね?なお、口語の「絶える」は文語では「絶ゆ」で、ヤ行の動詞です。ですから、未然形、 連用形の語尾は口語と同じ「え」です、「へ」ではなく。(「へ」ですと、ハ行の動詞ということになるのです。)
添削(旧仮名):
「人の世に憂ひなければ歌はなく心を無くして人は絶えなむ」(劫)
ヤ行の動詞
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